「出る杭は打たれるけど、突き抜けすぎると人が集まる」MOA大学特別講義vol.2 エハラマサヒロさん
7月23日(日)に行われたMOA大学特別講義Vol.2
業界のTOPランナーが登壇するこの舞台のトリには、お笑い芸人のエハラマサヒロさんにご登壇いただきました!
エハラマサヒロさん
大阪府東大阪市出身。大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎卒業。大阪NSC24期生。同期には若井おさむ、イシバシハザマがいる。吉本興業大阪本社から東京本社に移籍。かつてはお笑いコンビ、グループを組んで活動、『カウンターパンチ(相方は後にミュージシャンとなる日比直博)』→『アンディ』の2組を経てピン芸人に、その後『ロングフリーズ』で活動した後、再びピン芸人となり現在に至る。
2009年のR-1ぐらんぷり決勝に初進出で準優勝を遂げた。 2009年11月に2歳年上のOL(爆報! THE フライデーによると東芝の社員ということである)と入籍。2010年4月29日に女児誕生。名前はファンや島田秀平などに名付けてもらった。2015年1月に三女が産まれる。
2010年のR-1ぐらんぷり決勝に進出。結果はまたしても準優勝。
引用:Wikipedia
自分の強みを理解する
ネタは名刺
芸人にとっての名刺は、ネタです。
だから僕はずっと面白いネタを追い求めてました。
どうやったら面白いか。どうやったらお客さんがもっと笑ってくれるか。
けどウケるのはいつも、そんなに面白くもないと思える芸人。
なんでだろうなって考えた時、思ったんです。
ウケるネタ、自分を知ってもらえるネタっていうのは、自分のカラーが出ているネタ。
だから僕は、自分の強みを分析して理解しようと思いました。
自己分析の日々
ウケるにはどうすればいいか、ひたすらにリサーチしました。
自分にしかない、自分だけの強みは何か。
それで気づいたんです。
自分の特徴や強みって、この「うざったい顔」なんだって。
突き抜けること
強みを理解したら、あとはこの「うざったさ」を生かすだけ。
芸でもなんでも、歌手でもないのにマイクをかっこつけて持ってみたり、大声で声援に応えたりしましたね。笑
けどこれ、芸人からしてみたらめっちゃイタイことなんです。
芸人の世界も業界的に年功序列が厳しいんですけど、僕は先輩にもフレンドリーな感じで接してました。
けどそれをよく思わない人も周りにいて、結構叩かれるんですよね。
それで凹んだのでしばらく大人しくしてたら、ある日先輩から「お前は昔のイタイ頃の方がおもろかったなぁ」って言われたんです。
いや、どっちやねん! ……って思いました。笑
けどそれで気づいたんです。
突き抜けた方が面白い。
嫌われることは嫌だけど、イタイことって大切なことなんだなぁって思いました。
そこから行動がまた変わっていき、イタさを押していくことで、お仕事もたくさんいただけるようになりました。
先人が必ずやってる3つのことを実践したら、仕事が来るようになった
才能がないことを自覚した上で、一生懸命考えた結果。
僕は19歳の頃からお笑いを始めて、劇場でも結構いいところまで行ってたので、最初はイケると思ってたんですよ。
けど23歳の頃、先輩や周りのレベルの高さを感じて、自分には才能がないと思うようになりました。
ただ、お笑いで食べていきたい。才能はないけどお笑いはやめたくない。
そこで一生懸命考えればなんとかなるんじゃないかと思ったところ、これってビジネスと一緒だと思ったんです。
そんで社会人セミナーとか自己啓発本とか読みまくって、これは絶対間違いないという三つのことを自分の中に作ったんです。
1つが「ビジョンを作って逆算して整理する」こと。
僕は10年後を描いてそこから逆算し、それに基づいて行動しています。
2つ目は、「ただただ素直に生きる」こと。
3つ目は、「ポジティブに生きる」こと。
これは成功している先人が、必ずやっていたことです。
3つのことを守って行動していると、どんどん仕事が決まるようになりました。
才能があるように見せる術
また、こうしてお仕事をさせていただいているうちに、才能があるように見せる術がなんとなくわかってきたんです!
周りの先輩のネタとか見てるとマジ天才やなって思うんですよ。
僕も「あんなネタ作れてすごい」って言われることもあるんですけど、それって今まで見てきたいろんなネタを組み合わせてるだけなんです。
昔ウケなかったネタでも、今の時代ならウケるというものを出したり。
そういういろんな物を詰め合わせて作るんです。
時代の流れを見ながら最近僕がネタとしてやってるのが、童謡のアレンジです。
そんなの昔から何千回もやられてるんですけど、本格的に歌として作ってボイトレとかもしたら売れるんちゃう? って思ったんですよ。
それでは聞いてください、雪やこんこん。
「ネェコはコォタツで I can say goodbye〜〜〜!!!」
・当日の様子
エハラマサヒロさんの雪やこんこんに個人の時代で生き抜くヒント😸
— たっけ💐🤗🔥 (@takeee814) 2017年7月23日
・誰もが知っているからこそ聞く耳を持つ-共感性
・顔と身体を全部使うからイタイタしい
-やりきる力
・今だからこそ簡単に作れる
-時代性 pic.twitter.com/vR1mXBZlrB
[引用:たっけ(@takeee814 )]
印象に残ることが大事
数千人の中から拾われること
僕元々大阪で芸人やってたんですけど、東京に出てきてピンでやり始めた時、知り合い誰もおらんかったですよ。
誰も知り合いおらんところで、一番下のオーディションライブから順々に勝ち上がってきて、テレビのオーディションに初めて行った時の話。
あらびき団って番組のオーディションに行った時、そうそうたる面々がいるわけですよ。
そこそこテレビで見かけるやつも居るし、それこそ一年目の若手もいますけど、何千人ってオーディション受けてるわけですよ。
ほんで僕が行った時に、どうしようって思ったんです。
何千人というライバルの中で、プロデューサーやディレクターとかが無名の自分を拾う理由を自分で言えなきゃ勝てない。
そんで僕言ったんですよ。
「僕、なんでもできますよ」って。
周りはみんな「なんでもできますね」なんて言われると「いやいや」って謙遜するんですけどね。
僕の場合は「なんでもできますよ。歌も歌えるしダンスもできるし……めちゃくちゃすごいでしょ。太ってなきゃ完璧でしょう」って。笑
そんなテンションで行ったら「なんやコイツ鼻につくなぁ」って思われるんですけど、それでいいんです!
印象には残るから!
結果的には多くのオーディションに出させてもらって、その半数以上で受かることができたんです。
2009年のR1も準決勝まで残って、それで芸人で飯を食べれるようになりました。
その時もさっきの「雪やこんこん」歌ったから、めちゃくちゃ褒められると思いました。
「めちゃくちゃ面白かったです!」とか「初めて見ました!」とか。
けどネット見たら、1万件「死ね」って書かれてたんです。
「おもんない。鼻につく。ゴールデンであんなん流すな。二度とテレビ出んな」って。
まだほとんどテレビ出てないのに。笑
そんでショック受けてテレビに出させてもらう時も、大人しくあろうと何も言わなかったら、オンエア見ると自分が全然テレビに映ってなかったんです。
採用されてなかったんですね。
「これはヤバい、なんとかしなきゃ」と思ってた時、雑学王っていう番組のシンキングのBGM中に、そのBGMを鼻歌でうっとうしく歌ってみました。
そしたら、それが採用されてたんです。
「これや!」と思って今後意識するようになりました。
なんか聞かれたらうざったく、
「あ〜そうっすねぇ……ん〜いいでしょぉ!」
みたいな感じで上から言ってみたり。
「嫌われるの嫌ですけど、俺の特技はここや、これしかない!」って思いましたね。
イタイことって、大切なんです。一つの個性になるんです。
マイナスもプラスも飛び抜けてるところは全てプラスに持っていける!
特技に気づいてから、ずっと叩かれても自分らしさを貫き通してきました。
「出る杭は打たれるけど、出すぎると人が寄ってくる」って、品川庄司の品川さんも言うてましたし。
そんな時、あるミュージカルに出演させてもらったんですね。
そしたらそこに、自分を嫌ってる先輩がいたんですよ。
けど懲りずに自分らしくミュージカルを終えたら、その後その先輩から、
「お前のことは嫌いやけど、あれ見せられたら認めるしかないわ」
って言われたんです。
やってて良かったって思いましたね。笑
マイナスもプラスも飛び抜けてるところは、全て個性として、全部プラスに持っていける!
昔はめちゃくちゃ嫌われてましたけど、今は楽しくやらせてもらってます。
それこそ、ポジティブに生きてる。
自分をポジティブにしようと思ったら、周りをポジティブな人で固めると良い。
自ずとモチベーションも物凄く上がってきますし。
自分が今やってることは間違いか正解か分からないですけども、もしかしてこれ正解なんちゃうかなと思ったら、そのまま突き進んだら、なんか良いことあるんちゃうかなと思います。
今日もすごい怖かったんですよ。
こんな壇上でトークさせてもらうの。
普段トーク番組呼ばれてないですしね。笑
けど怖かったからやらせてもらったんです。
ここでやったら、また一つの自信になるかもしれないと思って。
で、見るからに他の人と違うことやろうと思って、そんで歌ってみたんですけど、結果、成功したわけです!笑
というわけで、今日は本当に、ありがとうございました!
エハラマサヒロさん、ありがとうございました!
文章:仲本晟真