OneJapan濱松さんが教える「周りを巻き込むために必要なこと〜OneJapanの挑戦〜」
業界のトップランナーに授業をしていただくMOA大学の教室
6月17日に開催した第6回目の授業では、講師にOneJapan代表の濱松誠先生をお招きし「周りを巻き込むために必要なこと〜OneJapanの挑戦〜」をテーマに講義していただきました。
OneJapan代表 濱松誠さん
パナソニック株式会社コーポレート戦略本社人材戦略部 主務(特命担当)/パス株式会社CEO室事業統括本部 コミュニティサービス事業 マネージャー/One Panasonic Founder。
1982年生まれ。大阪外国語大学(現:大阪大学外国語学部)卒業後、2006年に松下電器産業(現:パナソニック)に入社。北米市場のマーケティング職、インド市場の事業企画職を経て、人材戦略部へ。2012年に組織や部門を横断して社員同士の交流を図る有志の会『One Panasonic』を立ち上げ。2016年3月から、コミュニティサービス事業、コンサルティング事業、旅行事業などを多角的に展開するパス社に出向。2016年9月に大企業をはじめとする26社が集うコミュニティ『One Japan』を立ち上げ。
組織の縦割りを打破する
photo by矢野拓実
学校に学年やクラス、学部という縦割りがあって横のつながりって少ないですよね?
それは、企業のような大きな組織でも同じなんです。
でも、この縦割りを打破しないと人材の流動性がなくなって硬直的になってしまう。
アメリカの労働市場と違って、
転職がまだまだ一般的じゃない日本の労働市場は人材の流動性がないんです。
そんな組織の縦割りをパナソニックという組織内で打破しようとしたのが「One Panasonic」
そして、組織の枠を飛び越えて複数の組織に横のつながりを作ったのが「One Japan」
地道なことを継続することの大切さ
photo by矢野拓実
最初は、何も繋がりがなかった。
社内のおじさん、おばさん、若手も文句を言うだけで繋がりを作ろうとしてなかったんです。
だから繋がりを作るために内定者との飲み会を企画して繋がりを作ろうとしました。
最初は40人くらいから始まった企画も年々人数が増えていきました。
こんな地道なことをずーーっと継続していたら、
紆余曲折があってパナソニックのグループ会社でM&Aが起きました。
影響力のあるトップを巻き込む
M&Aしてからも、それぞれの現場にいる若手を集めて飲み会を継続しました。
確かに、若手の横のつながりを作ることはできたんですね。
ただ、影響力を持つにはトップも巻き込む必要があるなと考えたんです。
そして実際に社長を巻き込んで飲み会を実行しました!
どんな組織にも大きな影響力がある人がいます。
そういう立場の人を巻き込むためにどうしたらいいのか。
僕は飲み会を継続して多くの人を巻き込むことで最終的には社長まで巻き込む動きを作っていきました。
外から見たら「たったこれだけのこと?」という風に見えるかもしれません。
けど、こんなことでも継続することで当時38万人、10兆円の企業のトップが動く。
大切なのは、周りを巻き込んで熱意を伝えることなんです。
若手が熱意を伝えることで、真の「One Panasonic」に繋がったと思ってます。
組織の壁を超えた「One Japan」
photo by矢野拓実
確かに社内の横のつながりは作れたんです。
ただ大企業やベンチャー、ソーシャルなどまだまだ繋がってないなと思ったんですね。
大企業には、有形無形問わず豊富な資産があります。
そういうものをもっと有効に活用して色々なコラボレーションを起こせるんじゃないかと。
そこで作ったのが「One Japan」
One Japanを作る上でも、いろんなイベントを継続して開きました。
ここでも、自分がコミュニティの中心にして色々な人や組織を巻き込んでいきました。
実際に色々な企業や人を巻き込んでいった結果、
「CEATEC」という日本で最大の家電見本市にOne Japanも出ることに!
ここまで大きくなってアウトプットが出せるようになったのも、
地道な活動から色々な人や企業を巻き込んでいったからこそだと思っています。
人を巻き込むポイント7か条
1,社内と社外のバランスをとる
バランスが取れてないと「もっと仕事しろ」「もっと外に出ろ」と言われることもしばしば。特に大きな組織に属していて、社外で活動しようとする人は気をつけてください。
多くの人を巻き込むには適度にバランスをとることが大切!
2,トップ・ミドル・若手どの階層とも繋がれ
若手だけ、社長だけといった特定の繋がりではなく、
「トップ・ミドル・若手」全てと繋がりを持つことが大切です。
大きな変化を起こそうと考えたら影響力のあるトップやミドルはもちろん、
実際に動いてくれる若手も巻き込めないと変化は起こらないんです。
3,自分のタグは何か
「人事×〇〇」「IT×〇〇」「金融×〇〇」
なんでも構いませんが、自分のタグは何か常に意識してください。
4,利他の精神をもつ
「感謝」「謙虚」といった利他の精神を持って仕事をすると、
自然に皆さんの元にもっと仕事を任せてみようと仕事が集まります。
利他の精神とハッキリとした自分のタグがあれば、バンバン仕事は入ってきます!
5,主催する側になる
参加するだけじゃなくて、主催する側に回る方が得るものは多いです。
だからこそ、ぜひ実際にどんどん主催する側に回ってください。
6,Give & Give & Give
これはどこでも言われていることですが、与えてください。
利他の精神で与えることで結果的には自分のためにもなります。
7,まず動け、次に繋がれ、組織に持ち帰る
動いた後に大切なのは、そこで得たものを組織に持ち帰ること。
組織に持ち帰って得たのものをシェアすることで自分だけじゃなく、周りの人も徐々に変わっていきます。
これは組織に属していない人も一緒。
Aで得たことを、Bに持っていく、Bで得たことをCに持っていくというように他家受粉していってください。
みんなの周りの人に伝えて欲しい
大切なのは、みんなが学んだこと得たことを自分の周りの人に伝えること。
自分一人が理解して行動できても、実際には何も変わらない。
誰か人を巻き込んで初めて変化は起こるんですね。
色々な方がサロンを開催したり、企業とコラボしているように一人では何もできないんです。
それを変えるためにも自分が学んだことをインフルエンサーとして周りに伝えて、人を巻き込んでください!
photo by矢野拓実
濱松さん、素敵な授業をありがとうございました!
文章:伊藤