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佐渡島庸平先生が教える「これからの大変革期における戦い方」~MOA大学 少人数の教室 vol.1~

業界のトップランナーに授業をしてもらう MOA大学の教室
3月20日に開催した第一回では、株式会社コルク代表取締役佐渡島庸平さんを先生としてお招きし、「これからの大変革期における戦い方」について講義していただきました。

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佐渡島 庸平さん
株式会社コルク代表取締役社長
1979年生まれ。中学時代は南アフリカ共和国で過ごす。灘高校から東京大学文学部に進学し、大学卒業後の2002年、講談社に入社。週刊モーニング編集部で、井上雄彦バガボンド」、三田紀房ドラゴン桜」、安野モヨコ働きマン」などの担当を務める。また、小山宙哉宇宙兄弟」は累計1,600万部を超えるメガヒット作品に育て上げ、TVアニメ、映画実写化を実現。漫画以外にも、伊坂幸太郎「モダンタイムス」、平野啓一郎「空白を満たしなさい」など、小説の連載も担当する。12年に講談社を退社し、作家のエージェント会社、株式会社コルクを立ち上げる。
クリエイター・エージェンシーの株式会社コルク公式サイト

世の中が大きく変化していくことを認識しよう

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今日は「これからの世の中がどのように変わり、その中で何をすることが重要なのか」という話をしたいと思います。

そもそも時代の流れの中には、 世の中を「変えられるタイミング」「変えられないタイミング」の2つのタイミングが存在します。

残念ながら「変えられないタイミング」に生まれてしまった場合、どんなに優秀であっても世の中を変えることはできません。
江戸時代の佐久間象山や吉田松蔭などがいい例ですが、世の中を変えられるだけの大きなビジョンを彼らは持っていたにも関わらず、生まれたタイミングが少し早かったがために殺されています。

しかし、これから我々が迎える時代は「変えられるタイミング」であり、ここ10〜20年の間に世の中の動きが大きく変わると考えられています。

その要因には、急速にIT化が進んだことが挙げられます。
スマートフォンの普及によって、インターネットがあらゆる人やモノと結びついたことで、ムダが解消され、新たな価値が創造されるようになりました。

例えば、キングコングの西野さんが始めた「しるし書店」
camp-fire.jp

今までの古本買取では保存状態が良いかということに価値があり、汚れやしるしは価値を下げる要因でした。
しかし従来の価値観とは反対に、しるし書店では所有者の付けた折り目などの読んだ印が価値となるのです。

この例からも分かるように、これからは今まで当たり前のように構築されていた価値観が逆転し、通用しなくなってしまいます。
そんな状況においては、安定した組織や企業など存在しません。

世の中の価値観が変わりゆく中で、物事の本質は何なのかを見極める力が必要です。
そして、常に自分の力で活躍できる自立した人間を目指して、自身の価値を高めていかなければなりません。

いかに信頼を貯められるかが重要になる

f:id:moauniversity:20170323153441j:plain 自分の価値を高めていくためには「信頼をインターネット上でストックしていくこと」が最も重要です。

何かをする時に一番大切なのは、その人自身が信頼されているかどうか。
見知らぬ人からいきなり大金を借りることは難しいですよね。
その理由は自分が怪しくないことを証明できず、相手から信頼を得られないから。
人は信頼が担保されていない限り、協力を得ることができないのです。

信頼を獲得するためには、誠実に仕事をすることしか方法はありません。
今までは信頼を担保する手段がお金のやりとりでしかなかっため、自分のことを知らない人に対して誠実さを証明することが困難だったのです。
しかし、インターネットが普及したことによってお金に変換せずとも、TwitterFacebookなどで信頼をストックしておくことが可能となりました。

インターネットはある種「わらしべ長者」的な要素があるので、信頼をストックしておくことで、後々予期せぬ形でリターンが返ってきます。
信頼を得られる行為を続けているうちに、困った時に周りが勝手に助けてくれるようになるのです。

キャッシュはキャッシュにしか変わりませんが、信頼をストックしていけば何をやるにしても賛同してもらえるようになります。
今までのように短期的な視点で信頼をキャッシュに変えてしまうと、これからはビジネスで負けてしまうんです。

まさにこれからは「損して得取れ」の時代であり、信頼される行為をし続けられる人の価値が一番高くなる。
だからこそ、ネット上で信頼をストックしていくことが一番重要なのです。

自分の感情に正直に生きる

物事の本質を見極めるためには、正確に認知できていない感情が自分の中にあることに気づくことが重要です。

自分の感情に気づかず、無意識のうちに「こういうシチュエーションだったらこういう感情を抱くものだ」と思いこんでしまっている人が多いと思います。
卒業式は感動するもの、有名な観光スポットは凄い、などと決めつけていませんか。

芽生えた自分の感情を押し殺さず大切にして、もっと正直に生きていいですよ。
たとえば、正直に思ったことをTwitterで呟いてみたり、実行してみたり。

楽しむために生きているんでしょう。
だったら、楽しくないという状態をやめて、自分のやりたいことをやりましょう。
自分の人生なのだから、自分が楽しむために生きてください!

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佐渡島さん、貴重なお話ありがとうございました!

文章:児玉悠太朗